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社員 奮闘記ブログ

より多くの人から選ばれる鳶職人となるために必要なこと。

2019.9.27

200メートル以上の超高層ビルの仕事は、面白いですよ」。

 1997年(平成9年)のエイチエフユナイテッド株式会社設立以来、数多くの建物を手がけてきた職長、日比竜也は、神経を注がなければならない難しい仕事ほど、楽しくて仕方ないという。技術と経験だけでなく、冷静な頭脳をも持ち合わせた日比に話を聞いた。

1. 結果に結びつくプロセスづくり

「モノづくりが好きというよりは、より速く、より安全に作業を進めていくための人員配置や段取り、作業工程を考えるのが好きですね」。

 元請け会社との綿密な打ち合わせをもとに、職人たちが安全で効率の良い仕事ができるように環境を整えるのは、職長にとっての重要な役割の一つである。そのため、現場がうまくまわるかどうかは、日比の肩にかかっていると言っても過言ではない。何十人、時には何百人もの職人を適材適所に配置して指示を出す。

「自分の思い描いたストーリー通りに作業が進むと、本当に気持ちがいいですよ」。

 のしかかる重圧をも、当の本人は楽しんでいるのだ。

2. 職長会の会長として

工事期間中のパトロールや掃除など、現場のルールは基本的に、各業種の職長が集まった職長会に委ねられ、その会長は鳶の職長が務める場合が多い。職長としてだけでなく、現場全体の秩序を保つ監督としての役割も求められる。日比は会長として皆を束ねる以上、手本となるべき自社の職人に対しては、特に厳しく指導するよう心がけている。

 「ゴミを拾う、不安全行動を取らないなどは、できて当然です」。

 自社の職人がしっかりと行動しているところを見せると、他社の職長や職人たちを指導する言葉にも説得力が増し、現場の空気も引き締まる。実際、日比が会長を任される現場は、外部からのパトロールや、現場見学に来る人たちからも「この現場は完璧だ」と評されることが多く、日頃の徹底ぶりが功を奏しているのだ。

3. 厳しい現場ほど面白い

 これまで、大きな失敗はあまり経験がないと話す日比。しかし、仕事を辞めたいと思ったことは何度もあるという。近年は景気も上向いてきたと感じるが、7~8年前の不景気だった頃は、「ここまでやっても稼げないのか」、「もっと楽に稼げる仕事があるのではないか」と思い悩む日々を過ごしたこともあった。

それでも、辞めなかった理由は単純明快だ。

「結局、この仕事が楽しいんですよ」。

他業種の職長や元請け所長との出会い、「お前じゃなきゃダメだ」と任される喜び、複雑な構造の建物に真正面から向き合い、思い描いた通りに仕事が進んだ時の快感そのすべてがやりがいに繋がっている。

そして、難しい現場ほど面白いと感じるのが、この仕事の不思議なところでもある。高さ200メートル以上の超高層ビルや、1000人ほど座れるアリーナの屋根の工事などは、誰もができる仕事ではない。そこに立ち向かうチャンスを得られた、選ばれた職人であるというプライド責任が、日比の心を動かし続けているのだ。

4.もし自分ならどうするかという視点を若いうちから鍛えて欲しい

次世代を担う若い人たちを育てる立場として、日比にはどうしても伝えたいことがある。

 「指示されたことをやるだけでなく、自分ならどうするか、『こうした方が速くできるのではないか』と、常に疑問や課題を考えながら行動してほしいのです」

 真面目によく頑張っていると認めるからこそ、あえて苦言を呈すこともある。将来、職長になった時に、何も考えられないような人間にはなってほしくないのだ。職長が10人いれば、10通りのやり方があるように、人それぞれ最適な方法を考えながら作業は進められていく。今は指示された通りに作業する立場でも、もし自分ならどうするかという視点を若いうちから鍛えておく必要があるのだ。

 「鳶の世界に限らず、自分の頭で考えるというのは、何をするにも必要ですから」。

5. 「日比に任せよう」と言われるために

「大きな事故を起こさないように細心の注意を払って取り組むのが第一です」。

 ひとたび事故が起きれば、これまで積み重ねてきた信用を一瞬にして失ってしまうことになりかねない。これからも、難しい現場でこそ声をかけてもらえるように、安全面は徹底していくつもりだ。

より多くの人から選ばれる存在を目指す日比は、たとえ目の前に難壁が立ちはだかったとしても、日比建設の発展と自身の成長のために、果敢に挑み続けるだろう。

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