笑えるほど大きな夢を、一緒に見よう!<後編>
(前編の続き)
代表取締役の日比靖仁は、会社や、艱難辛苦を共に耐えてきた社員について、一体どう思っているのだろうか。エイチエフユナイテッド株式会社を率いる日比の、理念に迫った。
1. きっといつか報われる
同じことを続けるのが苦手な性格で、常に新しいことにチャレンジしたい。どれだけ準備をしようとも、新しい試みの8割は失敗すると分かっているのだが、それでもやめられない理由があるという。
「たとえ失敗したとしても、いいのです。後々、失敗が成功に転じることの方が多いですから」。
例えば、リフォーム事業の売却に失敗した時がそうだと言える。エイチエフユナイテッドが経営不振に陥った際、日比はリフォーム事業を譲渡しようと同業他社のある企業に話を持ちかけた。好意的な返答をもらい、「これで経営も何とかなる」とホッと胸をなでおろしたが、最終的に、商談は白紙になってしまう。その時は「おしまいだ」と思ったが、後に「あの時売らないで良かった」と思える出来事が起きたのだという。
「特に信仰があるわけではないのですが、きっと神様はいるのです。何か辛いことがあったとしても、必要だからこそ試練はやってくる。その時々での失敗はあるかもしれませんが、広い視野で見れば、大概はうまくいっているのではないでしょうか」。
苦境に立たされても、最後まで諦めずに挑戦し続ければ、いつの日か恩恵を得られるのである。
2. 社員への信頼
かつて現場で作業員の一人として働いていた頃、エイチエフユナイテッドは小規模な仕事しか依頼されなかった。だが、今や当時に比べると遥かに大きな仕事を任されるようになっている。日比はそのことが誇らしいという。
「エイチエフユナイテッドには、高い技術を持つ職人たちが揃っています。どこの会社と競っても、負けない会社になってきている。とても嬉しいですね」。
何社かと合同で工事を行う際にも、技術では引けを取らない。これはやはり社員のおかげだ。「他社に負けるもんか」という強い負けん気を持って仕事に臨む社員が多いため、品質にも影響が出るのである。
「うちの社員は、本当に頼もしく、かっこいいです。まるでスーパーマンみたいなことを、平然とこなしているんです。社員の家族にも、ぜひ働きぶりを見てほしいですね」。
そうした社員は今なお増え続けており、良い循環にあるエイチエフユナイテッドの将来が楽しみだと、日比は目を細める。
3. 弟への気持ち
日比には弟が三人おり、現在合同会社日比建設の代表社員を務める日比政仁もその一人だ。同じタイミングで父親の会社で働き始め、二人三脚でこれまでやってきた。
「職人としては僕よりも遥かに優秀で、働き出した頃から『敵わないな』と思っていました。若い頃はいつも喧嘩ばかりでしたが、代表取締役になってからずっと支えてくれて、感謝しています」。
長い付き合いだからこそ、面と向かって感謝を口にするのは照れくさいものだ。衝突することも度々あったが、二人の間には深い絆がある。
4. 目指すはナンバーワン!
「ナンバーワンになりたい」と語る日比。これは、単に世間から良い評価を受けるのではなく、同業他社から高評価を下される会社になりたいという意味だ。
「同業他社に『日本で一番イケてる職人がいるのはどこ?』と聞いたら、『エイチエフユナイテッドだ』と答えられるくらいになりたいですね。社員のみんなも同じ気持ちだと思っています」。
苦難にも屈せず、打開への道を探ってもがいてきた日比ならば、きっと目標を達成できるだろう。社員と力を合わせ、日比はこれからも前へ進んでいく。