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社員 奮闘記ブログ

『鳶の流儀』 Interview of the craftsman

2020.4.28

目 次

    〜 負けたくない! その意地だけで立ち続けている。〜

     日比 大介 【職長】2011年入社

    高校生のころは、「今が楽しければいい」という考えしか無かった。
    バイクの免許を取って夜遅くまで遊びまわり、学校にもあまり行かなくなった。

    それでも、大事にしていた想いがある。
    オレの親父は鳶だ。
    そして、現場で見た親父がとにかくカッコよかった。家では見せない顔、現場を飛び回る背中。
    見たことのない世界に、密かに憧れた。

    だから、落第ギリギリの成績で高校を卒業したとき、鳶の道を選んだのは自然なことだった。
    進学なんて1ミリも考えなかったし、他の仕事も眼中に無かった。
    鳶の世界はハンパなく厳しかった。いちばん打ちのめされたのは、周りがすげえ先輩ばかりだったこと。
    先輩が当たり前のようにやってることが、自分にはできない。
    追いつける気配すら見えない。正直、途方に暮れた。

    それでも、「辞めたら負け犬」という言葉が頭から離れなかった。世の中には、壁にぶつかったらすぐ仕事を辞めるヤツがいる。そういうヤツは結局、永遠に一人前になれない。そんな人間になりたくない。だからこの場所から絶対に退かない。

    でもね、鳶の仕事はすごく好きなんだ。いつだったか、新宿の高層ビルの現場に入ったことがある。上空から街を見下ろすと、遥か下でいろんな人が先を急ぐように歩くのが見えた。あの人たちはおそらく、一生この景色を見ることはないはずだ。すげえ単純だけど、鳶ってすげえと思うのはそんなとき。

    思えば、この仕事を通して、少しはいっぱしの男に近づけたのかもしれない。意地だけで続けていたのが、いつのまにか仕事に責任感を抱く自分に気付いた。目の前の相手と真面目に向き合って、関係を築く努力ができるようになったと感じる。10代の頃の自分からしたら、考えられない。

    日本一の鳶って、技術があること以上に、一流の人間であることが大切だ。それが、最近気づいたこと。この場所で踏ん張り続けて学んだ、一番大きなことかもしれない。

     

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