『人事評価システム』について
目 次
1. あなたの給料は『いつ』『誰が』『どのような基準で』決めていますか?
飲みの席で社長から、『お前も最近頑張ってるから、そろそろ給料上げてやらなきゃな!』なんて言われて初めて昇給される、というような会社もこの業界では少なくないようですね。
そこまでアバウトでは無いにしても、ちゃんとした基準に沿って、公平に、オープンに給料を決めている鳶工事会社(鳶工事会社に限らず職人を抱える会社、もっと言えば世の中小零細企業の多くに言えることですね)はごくごく少数だと思います。
給料は社員にとって最も関心がある事ですので、社員全員が100%納得するというのいうのはなかなか難しいのですが、私たち日比建設ではできる限り公平に、そしてオープンに評価をする事で給料の決定自体が不満要因にならないように努力をしています。
2. 公平に、オープンに、社員にとって納得度の高い給与を決定する
まず『いつ』つまり昇給の時期ですが、日比建設は9月が決算月にあたり、10月から新しい年度が始まるので、この月を昇給月としています。昇給時期が明確になっていますので『俺の給料はいつ上がるんだろう?』という不安や不満は持ちにくいです。また年度末の9月と年度始めの10月の計2回、社長と上司と本人の三者で評価面談を必ず行います。最終的には、この評価面談で次の1年の基本となる給料額(一部の職長を除き、多くの社員は日給月給制なので日給の額)を決定します。決定方法についてはこの後の『どのような基準で』で説明いたします。
次に『誰が』つまりあなたの給料を決めるのは誰なのか?ということですが、これは『どのような基準で』を説明することで理解していただけると思いますので、先にこちらを説明します。
3. 日比建設では基本給(日給や月給)を以下の5つの項目で決めています。
1.【年齢ポイント】
歳をとるごとに(つまり毎年)増えるポイントです。職人の年齢によるアドバンテージは35歳までだろうという考えのもと、35歳までは毎年上がり続けます(今後段階的に40歳まで上げる予定です)
2.【勤続年数ポイント】
長く勤めてくれている社員の会社への貢献を評価するポイントです。勤続20年まで毎年上がります。経験者が中途入社する場合は、経験年数の半分を勤続年数としてカウントします。
3.【技能評価ポイント】
文字通り職人として(あるいは職長として)の能力を評価するポイントです。
1級(取締役あるいは部門長)から16級(見習い)まで16段階に分かれています。
4.【360評価ポイント】
入社1年以上経過した全社員が、社長を含めた全社員を順位付けします。順位をつける基準は『あなたが社長なら誰に一番高い給料を払いますか?』というものです。その視点に立って、自分以外の全社員を順位付けします。それを集計して全体のランキングを出し、その順位を給料に反映させています。
5.【TS(感謝・応援ポイント】
この1年でお世話になった人、頑張っているので応援したい人を各自4名選出します。それを集計して給料に反映させます。
以上5つの項目のポイントを合計したものが1年間の基本日給になります。
5つの項目のおおよその割合
- 50%→ 『一定の所まで毎年確実に上がる年齢ポイント』と『勤続年数ポイント』
- 40%→ 『技能評価ポイント』
- 10%→ 『年ごとに上がり下がりのある360評価ポイント』と『TSポイント』
4.『自分自身の頑張り』と『仲間の評価』が大きく反映される
『これで完璧!』などと言える評価基準は無いと思いますが、社長(幹部)の独断や偏見が入る余地が極めて少ない、公平でオープンな仕組みだと思っています。
という事で、最後に残った『誰が』については、自分自身の頑張りと一緒に働く仲間たちの評価と言えます。
もちろん、この評価基準は絶対的なものでは無く、毎年少しづつ見直されバージョンアップしていきます。
これからも新たに増える評価項目や、無くなってしまう評価項目もあると思います。
過去には『社長独断評価ポイント』なるものもありました。『俺の言うこと聞かない奴は給料下げるぞ!』というワガママなものです(笑)ただこの評価項目は1年で廃止されました。うちの社員は全員ほんとうにまじめに会社の方針に沿って頑張ってくれるので、全員満点評価というあまり意味のない項目になってしまったのがその理由です。
以上が簡単ですが日比建設の給料の決定方法(評価システム)です。