ベテラン社員の仕事に懸ける思いと若手社員の成長
社員インタビュー
2017年6月、合同会社日比建設に中途採用で入社し、高層ビルなどの建築現場で鉄骨建方の班長を務めている田中章博。取付けの現場で指揮を執る田中に、入社の経緯や仕事に懸ける思いについて聞いた。
1. 入社を決めた周囲の優しさ
日比建設の鉄骨建方の仕事には、前職に勤務していた頃から携わっていた。2015年頃、日比建設の現場に参加して、高層ビル内のエレベーターを組み立てているときに、誤って足を挟んでしまい、全治2週間の怪我を負った。幸い入院とはならなかったが、治るまで作業には参加できず、悔しい思いをする。
「そんなとき、日比建設の職長が心配して声を掛けてくれました。普段は厳しい職長が心配してくださったことに驚きましたが、その意外さが嬉しかったです」。
他の社員らも田中を気遣ってくれたこともあり、日比建設は優しくて居心地の良い会社だという印象を持った。
その後、前職の業績が傾き始め、転職すべきか迷っていたところ、日比建設から声を掛けられ、迷わず入社を決めた。7年以上共に現場に関わっており、社内のことも良くわかっていたため、何の不安もなく決意することができたのだった。
2. 新人の成長を見守る
取付けの主な仕事は、下まわりからクレーンで運ばれてきた鉄骨を高所で組み立てることである。下まわりと無線で連絡を取り合い、次に行う作業を班員に指示するのが田中の役割だ。重量のある鉄骨を、地上から遠く離れた場所で扱う作業は危険が伴うため、常に周囲や自身の安全に気を配りながら作業を行っている。
特に、新人の班員がいる場合は実践を通して教育するため、自分のみならずその班員にも留意しなければならず、肉体的にも精神的にもかなり疲弊する。自分のちょっとしたミス一つで、その班員や現場を危険にさらしてしまう可能性があるからだ。
「苦労はありますが、自分が指導した班員が少しずつ成長していく姿を見るのは嬉しいものですね」。
田中は褒めるのが得意ではないが、日頃から声を掛け合うなどコミュニケーションを大切にするよう心掛けている。
3. 建築現場は体力勝負
建築現場の環境は気候に左右されやすいため、体調管理も仕事のうちだと考えている。
「朝食や昼食はスタミナのつくものをしっかり食べる、日頃から歩いたり走ったりして体力をつけるなど、季節に関係なく食生活や体力づくりには気を遣っています」。
暑さ対策として空調服というファン付きの作業服を導入してからは、ずいぶん作業がしやすくなったものの、それでもやはり真夏の現場は体力勝負だ。
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班員たちの年齢は幅広く、ベテランも新人も共に働いている。「ベテランの職人よりもさらに働き、若手の頑張りにもまだまだ負けていられない」と語る田中は、多忙な現場で今日も奮闘し続けている。
4. いつまでも現場に立ち続けたい
現場で無線を持って周囲に指示出しができるようになるまでには、かなりの経験と年数が必要だという。その立場になって初めてわかったことだが、指示を受けて作業をするよりも、流れを考えて指示を出す方が楽しいと田中は感じている。
「今自分が教育している若手も、いつかは指示を出す立場になってもらいたいですね。そのためにも、仕事を丁寧に教えて、早く一人前になれるよう支えていくつもりです」。
自身は、怪我をして現場に立てなかったときの悔しさを忘れず、仕事を休むことがないよう健康には十分に気をつけている。体が動かなくなるまで取付けの現場に出続けるつもりだが、その後は職長として下まわりの仕事で現場に関われるよう、経験を身につけている最中である。
「鉄骨を組み立てる作業は楽しくて、飽きることがないんです」。
そう語る田中は、仲間への深く温かい気持ちと向上心を胸に、今日も業務に取り組んでいく。