「鳶一級って何?」
「鳶一級ってどうやったら合格できるの?」
こんな事にお悩みなのではないでしょうか。
鳶一級とは鳶職人が一番最後に取る、最も難易度の高い資格です。
鳶一級を取ることによって、鳶土工基幹技能士の講習が受けれるようになるなど様々なメリットがあります。
そして、鳶一級は事前の試験対策が必須な資格です。鳶歴20年の大ベテランでも対策をしないと落ちてしまう事もよくあります。
逆に言うと事前に対策を知っておけば鳶一級に合格する確率をグッと高める事が出来ます。
そこで今回は
- 鳶一級とは何か
- 鳶一級の申込方法
- 鳶一級に合格する鉄則
について鳶一級に合格した現役鳶職人の声を交えて徹底解説します。
1. 鳶一級とは
鳶の資格の中で最も高度な知識・技術・経験などが要求されるのが『とび一級技能士』です。
難関な国家資格なので、合格できると周囲から信頼を得やすく、キャリアアップへの通過点となるはず。
この記事を参考にして対策をしっかり取ることが、合格への近道です。
さらなる上の世界で活躍できる鳶職人となってください。
1-1. とびで一番難しい資格
鳶職人としてキャリアアップするべく、様々な資格を取得してこられたかと思います。
しかし鳶一級技能士は、これまでの資格とは違って、簡単に誰もが合格できるわけではないと認識しておく必要があります。とはいえ、難関だからと合格を諦める必要はありません。
申込みの手順から合格するための鉄則を事前に知って、しっかり対策をとっておくことで、合格にぐんと近づけるはずです。
1-2. とび一級の受検内容とスケジュール
これまでの資格取得と大きく異なるのが、受検できるタイミングが年に一度だけということ。
しかも都心エリアは特に例年受検人数が多く、「受付期間中に間に合うように提出すればよいだろう。」と呑気に構えていると「定員オーバーで受付できませんでした。」と連絡が入ってくることも多々あります。
まずは確実に申し込みを受付受理してもらえるように、受付スタートの初日には受検申請書を必着できるように準備をしておきましょう。
申込みのチャンスは年に一度きりです。
そして鳶一級技能士は、筆記と実技の二つの試験があります。
実技試験は、主に図面通りの小屋組をつくることです。
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1-3. とび一級を目指すべき4つのメリット
ここではとび一級の合格メリットを4つ紹介します。
合格を目指すための日々の努力はけっして無駄にはなりません。まずは目標設定を明確にして、それを実現するためにやるべきことを具体化する。そして、それを計画的に実践することが大切です。
1-4. 受検するには年数の制限がある
国家資格なので、これまでの資格とは異なり、受検できる経験年数もある程度必要になるので事前に確認しておきましょう。
受検資格は都道府県職業開発協会が実施する職種の技能検定の受検資格取得に必要な実務経験年数は下表のとおりです。ちなみに鳶の受検が認められる学科名は【建築科】になります。
2. 申込方法(東京の事例)
1章でも述べたように、技能士検定は1年に1回しか受けられないのと、受検申請書を取り寄せしてから提出するまでの期日を早めに対応しなければ、1年を棒に振ることになってしまいます。
3月1日に受検内容の公示が出たタイミングで、受検申請を確実に受理されるよう、期日をしっかり把握して余裕をもって手続きを行うようにしてください。
2-1. 【STEP1】とび一級技能士の受検申請書を取寄せる
まず中央職業能力開発協会ホームページに公示されたらすぐに『受検申請書』を取り寄せします
受検される各都道府県職業能力開発協会の【所在地】と【電話番号】を確認し、問い合わせする。
中央職業能力開発協会ホームページ
https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/giken.html
2-2. 【STEP2】受検申請書を作成する
受検申請書の記入には細かいですが注意すべきポイントがいくつかあります。
(*申請書は各地都道府県によって異なる為ここでは東京の場合です。)
注意すべきポイント
- 職種番号、検定職種、作業番号、作業名は⬥実施職種および試験日時を参照し、正確 に記入すること。
- 該当する項目に○をすること。特に「A乙とB」、「A丙とC」を間違えないよう注意 すること。
※申請後の受検区分変更はできません。過去に一部合格している等の免除要件が無いか必ず確認すること。 - ○○様方、マンション名、部屋番号、企業・学校名、部署名等まで正確に記入すること。
- 卒業年月は右下の「年齢・卒業年早見表」を参照し、正確に記入すること。
中退の場合 は、中退した年月を記入すること。
- 受検資格を満たす分の職歴を記入すること。
「職務内容」はとび職との関連が分かるように記入すること。
「期間合計」は、在職期間の合計年数(端数は切り捨て)を記入すること。 - 職歴だけでは受検資格を満たさない場合に、実務経験年数を短縮できる要件を記入すること。
(⬧受検資格一覧表参照。)在校生・訓練生は「該当学校名」または「職業能力開発校等」を必ず記入すること。 - とび2級技能士保持者は、合格証書のコピーを提示すること。
- 該当する項目に○をし、合格・免除等を受けた年月日・番号・取得都道府県名を記入すること。
技能照査合格 の場合、「国名」の課程・訓練科名を記入すること。なお、この場合は証拠書面のコピーを提示すること。
※申請後に免除資格を申告しても免除はしてもらえません。
- 過去に一部合格している等の免除要件が無いか必ず確認すること。
- 貼り付ける写真について。
・サイズは縦4㎝×横3㎝程度(多少異なっても可)
・紛失防止のため、裏面に級別、作業名および氏名を記入すること
・無帽・無背景で6か月以内に撮影したもの
・スナップ写真またはデジカメで撮影してコピー用紙に印刷したものは不可
2-3. 【STEP3】受検申請書を提出します。
万一定員オーバーで申し込みが外れてしまうことのないように、できれば受付初日【令和5年4月3日】に都道府県職業能力開発協会へ必着できるように準備しておくと良いでしょう。
2-4. 【STEP4】受検申込みが受理
受検申込みが受理されると、5月上旬頃に、受検手数料の請求書が発送されます。
2-5. 【STEP5】受験票の到着
実技・学科 別々に届きます。
6月上旬頃に実技の受験票、6月末から7月末頃に学科の受験票が届きます。
まず届いたら日時や会場名をきちんと確認しておきましょう。
3. 確実に合格するための5つの鉄則
3-1. 実技の実践を何度も繰り返す!
とび一級実技試験に合格する秘訣はズバリ『実技の実践を何度も繰り返し練習する事です』
なぜなら、どんなに頭の中でイメージできていたつもりでも、実際に動いてみないと、勘違いしていた部分やスムーズな手順が頭に入っていない等の事に気づけないからです。
実務経験を長年積んだ鳶職人でも、何も対応せずにのぞむと合格は難しいと思います。
- 寸法の確認
- 東西南北の方向の確認
- クランプのつける位置
- つける順番
全てきまっているのでとにかく何度も実践し、思い込みではなく、『きちんと図面通りに!』『正確に!』が鉄則です。
できるだけ本番に近い状況で必ず時間を測って、出来れば4回は再現できることが望ましいでしょう。
受講者には実技試験の際に制作する建物の図面が送られてきますので、図面通りにかつ制限時間内に作る事ができれば試験に合格です。
このように図面をもとに材料の数の確認、作業工程をしっかりと頭にたたきこみ、時間を測って何度も実践練習を繰り返して本番にのずむことで、合格への道に近づけるはずです。
3-2. 実技試験当日の暑さ対策!
試験当日の暑さ対策は、とても重要です。
なぜなら、実技試験の実施が真夏の炎天下の屋外で120分あまりの試験になるからです。
もし当日に十分な量の水分を用意するのを忘れた!なんてことになってしまったら、、、
ご想像できるかと思いますが、過酷な環境の中で練習の成果が発揮できるわけがありません。
脱水症状、熱中症にならないよう、そしてこれまでの実技練習の成果を発揮できるように、十分な量のポカリスウェットなど水分補給や、空調服の工夫など事前に準備しておきましょう。
3-3. 学科の過去問を反復解く!
学科の試験対策は、とにかく過去問題を解いて慣れておくこと。
こちらも理由は本番の試験の出方に慣れておいたほうがいいからです。
最低5回は繰り返しておけるよう計画をたててみるといいです。
とび (平成29・30・31年度1・2級技能検定試験問題集)
3-4 . お金をかけてでも確実に!【実技の講習会 東京エリア】
お金をかけてでも、実技の講習を申し込み、参加することです。
なぜなら本番に近い環境で場所や道具を準備してもらえるからです。
東京エリアに限定してしまうんですが、実技の練習したいけれど場所がないという場合
こちらの団体で実技の講習を受ける事ができます。
一般社団法人東京都鳶工業会
http://www.tokyotobi.or.jp/index.html
住所:東京都港区芝公園3-5-20
TEL 03-6435-9022
FAX 03-6435-9023
講習会日程:7月上旬頃予定 (6月上旬に公開予定)(*お申し込みはお早めに。)
場所 :試験会場
時間 :およそ90分程度
講習会料金:およそ25000円
4. まとめ
とび一級技能士は、これまで取得されてきた資格とは大きく違うことがおわかりになりましたでしょうか。
申し込みが年に一度しかない、そして、受検するために申請書を取寄せなければならない、受付期間を逃さないようにする、という事と、実際の実技と学科に合格するためのアドバイスを述べさせていただきましたので参考にしてみてください。
日比建設には、とび一級取得者が二人います。受けた人の感想は、まず炎天下の中の実技がきつい!ということ。
『備えあれば憂いなし』
学科の過去問、実技の小屋組練習も大事ですが、当日成果を出し切るためにも体調管理は大切になってきます。当日の暑さ対策も抜かりなく、一級合格のチャンスをものにしてください。
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