あなたは「鳶職人」がどんな世界で働いているかをご存知でしょうか?
「鳶職人は肉体労働で3K(キツイ・危険・汚い)の仕事」
「頭を使わないので体力があれば誰でも出来る」
そういうイメージを持たれている方も多いかもしれません。
しかし、決してそんな事はありません。
まずは鳶職人が働いている一部をお見せいたします。
鳶職人は時には数10tを超える鉄の塊を扱い、数百メートルを超える建物を建てる究極のチームプレーなのです。
体力があれば誰でも簡単に出来る仕事ではありません。
- 現場のトラブルに対応出来る機転が効いた判断力
- 無駄がなく効率的な作業やコミュニケーション
- 高所でも集中力を切らさない強靭なメンタル
が必要になるとても高度な仕事です。
つまり、いくら体力があっても地頭が良くないと現場で活躍する事は難しい仕事なのです。
もしかすると、マニュアル通りに作業をこなす事が得意なサラリーマンが鳶の世界に入ると、足手まといになってしまうかもしれません。
今回は現役鳶工事会社社長である私が、そんな鳶職人のリアルな世界を徹底解説します。
あなたが今まで持っていた「鳶職人」のイメージががらりと変わることでしょう。
目次
1.鳶職とは
鳶職とは、建設現場においてどんな役割で、具体的にはどんな仕事内容なのでしょうか?
この章では鳶職について詳しく見ていきましょう。
1.1建設現場で高所作業を行う職業
鳶職とは、建設現場において高所作業を専門に行う職業のことです。
大きな建造物を建てる時に鉄骨を組み上げたり、現場で他の業者が作業しやすいように足場を組んだりします。高所での作業を颯爽と行うその姿から「現場の華」とも言われています。
1.2鳶職人のリアルな一日の流れ
【❶6:00〜7:00出勤・準備】
現場に出勤し、身支度を整えたり朝食を取ったり、始業前の準備をします。
【❷8:00朝礼・体操】
現場全体での朝礼を行い、ラジオ体操をします。その後は鳶職人だけで個別ミーティングを行い、職長からの指示や資材が入ってくるスケジュール等を確認します。それが終わるといよいよ作業開始です。
【❸10:00休憩】
15分〜30分程度の休憩に入ります。この休憩でタバコを吸ったり、コーヒーを飲んだりします。
また現場によってはトイレまで距離が遠い場合があるので、トイレも済ませておきます。
【❹12:00昼休み】
午前中の作業を終えて、お昼休みに入ります。お昼ごはんは、手作り弁当・コンビニで買ったお弁当を持ち込む人、仕出し弁当を注文する人、現場周辺で外食する人・・・様々です。大きな現場では業者が食堂を設置している場合があり、食堂で食事をする人もいます。メニューはそば・うどん・カレーといったシンプルなものが多いですが、とても美味しいと評判です。
【❺13:00作業開始】
午後の作業開始です。足場組み立てや鉄骨建方等現場によって割り当てられた作業を行います。
【❻15:00休憩】
15分〜30分程度の休憩に入ります。(タバコ・トイレ休憩)
【❼16:50片付け】
余った材料や使用した道具を片付け、清掃を行います。
【❽17:00現地解散】
作業終了です。残業が発生することは比較的少なく、作業の進捗に問題がなければ定時で上がれることがほとんどです。
1.3 現場の主役・中心的な存在
鳶職は、建設現場の中心的な存在です。現場での作業がスタートする前、仮囲いを設置してから、建物が完成し仮囲いを外すまで現場で活躍するのが鳶職です。「現場で鳶に嫌われたら現場で働きづらくなる」なんて言われることもあるくらい、現場で作業する他業種の職人からも一目置かれる存在です。
2.鳶職人には4つの種類がある
2.1足場鳶
足場鳶は建築現場で足場の設置・解体を行うのが主な仕事です。
建築現場では作業をスムーズに行えるように足場が必要です。足場鳶が足場を設置しなければ現場の作業は始まりません。現場には必要不可欠な存在です。
足場鳶についてはこちらの記事で詳しく解説しています↓
足場鳶とは?具体的な仕事内容や他の鳶職との違いを解説
2.2鉄骨鳶の仕事内容
鉄骨鳶は鉄骨を組み立て、建物の骨組みを作ります。主に地上で作業する「地走り(下回り)」と上での作業をする「取り付け」に別れて」作業をします。超高層での作業がメインで高度な技術が必要となる、鳶職の中でも最も難しい作業を担っており、鳶職の中でも花形と言われています。
鉄骨鳶についてはこちらの記事で詳しく解説しています↓
鉄骨鳶は鳶の花形!具体的な仕事内容や現場のリアルを解説
2.3重量鳶の仕事内容
重量鳶はフォークリフトやクレーンを使用し、大型の機器等の重量物の搬入・据付を行います。時には100トンもの重量物を、ミリ単位で搬入することもあり高度な技術が求められます。重量物を扱いながらも繊細な仕事が求められるため一般的には、重量鳶は「大変・きつい・つらい」というイメージが強いようです。
重量鳶についてはこちらの記事で詳しく解説しています↓
重量鳶がつらい・きついと言われる4つの理由を現役鳶職人が解説
2.4 総合鳶
総合鳶は足場鳶・鉄骨鳶・重量鳶の全てに携わり、建設現場において全工程をこなしていきます。クレーンの組立・解体や、現場の安全設備(仮囲いやネット)の設営も行います。建設現場には欠かせない存在なのはもちろん、鳶職の全てを網羅していないといけないため熟練を要する仕事です。
また日比建設の社員は、この「総合鳶」に当たります。鳶職としての仕事を総合的に行うため、様々な職務経験を積むことができます。
3.鳶職の給料と将来性について
続いて、この章では気になる鳶職の給料や将来性について見ていきましょう。
3.1鳶職の平均給与は404万円鳶職の平均給与は日本全国の平均でいうと404万というデータが出ています
実際には、東京や大阪といった大都市での平均給与は高くなり、サラリーマンと比較しても、同等もしくはもっと稼ぐことも可能です。さらに言えば日比建設は年代別の平均給与より高くなっています。
鳶職のリアルな給与事情についてはこちらの記事をご参照ください↓
鳶職の平均給与は404万円!自社のリアルな年収も公開
3.2鳶職は将来性のある仕事
鳶職は将来性のある仕事と言えます。
その理由は、鳶職は建設現場に必要不可欠だからです。建設現場で高所作業をするには必ず足場が必要ですし、鉄骨造の建物を建てるには鉄骨を組み上げる作業が必要です。
建設現場がなくならない限り、鳶職の需要はなくなりません。しかし鳶職は人手不足という問題もあります。そのため、会社は優秀な鳶職人の採用・育成に力を入れていますので、現役鳶職の転職や他業種からの転職も売り手市場と言えます。
鳶職として経験を積み、確かな技術を身につけていけば、さらなるキャリアアップも目指せます。
3.3年収1000万も夢じゃない
鳶職で年収1000万を目指すことも決して夢ではありません。
具体的に鳶職人として年収1000万円を達成する方法はこちらの4つです。
- 【方法1】独立して経営者になる
- 【方法2】請負形態(歩合制)で働く
- 【方法3】大きめ鳶工事会社のNo2(経営層)になる
- 【方法4】夜勤メインで働く
鳶職で年収1000万を達成する方法はいくつかありますが、1番現実的な方法は独立して経営者になることです。
私も鳶職人として独立をして年収1000万円を実現しています。
鳶職で年収1000万を目指す方法についてはこちらの記事をご参照ください↓
鳶職人が年収1,000万円を達成するためのリアルな4つの方法
4.鳶職の働き方
続いて鳶職の働き方を見ていきましょう。気になる勤務形態や休暇についても詳しく説明します。
4.1日勤がほとんどだが夜勤もある
鳶職の仕事は日勤がほとんどですが、夜勤もあります。また、働く時間帯が違うだけで日勤も夜勤も勤務時間も休憩時間についてもルールは同じです。
ここで日勤と夜勤の大きな違いは「給料」です。夜勤時は日勤時の25%以上も賃金が割増になります。夜勤をする職種(看護師やタクシー運転手等)のような変則勤務ではなく、鳶職は昼夜逆転になります。
鳶職の夜勤の実態についてはこちらの記事をご参照ください↓
鳶の夜勤のリアルな実情を知って不安解消!経験者に聞く夜勤攻略法
4.2週休1日・日曜日のみ→だいぶ減るかも
現在、鳶職人は週休1日(主に日曜日)のみという場合がほとんどです。
しかし政府による働き方改革により、週休2日の義務化が2024年4月1日から始まります。
今までは特別条項結ぶことで残業の上限規制がかかりませんでしたが、改定後は特別条項を結んでも残業時間に上限規制かかるようになります。改訂内容は厚生労働省のチラシをご覧ください。
選ぶ会社によっては週2日休みを取る事も可能です。
4.3長期休暇は主に年末年始・GW・夏季休暇
長期休暇については、主に年末年始・GW・夏季休暇です。長期休暇については他の業界・業種と変わらない一般的なものです。
5 鳶職人はカッコよくて憧れられる仕事!
なんと言っても鳶職人はカッコよく、憧れられる職業です。常に危険と背中合わせなのにも関わらず、地上100m、200m以上の高所でも臆することなく華麗に作業をこなす姿から、建設現場の花形と言われる鳶職。
そんな姿から、一見恐そうな人たちというイメージも強いですが、根は優しい人が多く、男気がある人が多いです。また、鍛え上げらえた肉体と作業着姿に魅力を感じる人も多く、鳶職は「モテる」というのもよく言われます。
鳶職人のかっこよさについてはこちらの記事を読んでもっと深掘りしてください!↓
現役鳶工事会社社長があなたに伝えたい鳶職人のかっこよさとモテ度?
6.鳶職を目指すなら日比建設へ!オススメする3つの理由
鳶職を目指すなら日比建設をオススメしますその3つ理由をご紹介します。
6.1優秀な職人が多数在籍!鳶職のエキスパートから技術を学べる
日比建設には熟練された優秀な職人が多数在籍しており、鳶職のエキスパートから技術を学べる環境があります。日比建設は「足場専門」「鉄骨専門」という会社ではなく、総合鳶の会社です。様々な現場で様々な職務を経験することができます。
6.2頑張りを評価してチャンスを与えてくれる
日々の仕事の頑張りをきちんと評価し、チャンスを与えてくれる会社です。例えば、大きな現場で鉄骨建方をやってみたいという思いがあればチャレンジする機会を与えてくれます。なぜなら外注することなく全てを自社でやっているためです。
鉄骨ができる職人が自社にいなければ、外注するしかありません。そうなれば鉄骨に携わることはできません。全てを自社でやっているからこそ、希望の職種にチャレンジするチャンスがたくさんあります。
6.3大きな現場が多く地図に残る仕事ができる
日比建設は大きな現場が多く、ランドマーク的建造物も手がけてきました。それは今まで日比建設が現場の安全面に配慮し高い技術を持った職人が上棟してきたからこそ、ゼネコンからの信頼を獲得し大きな現場を任される会社になったからです。「この建物は自分が建てたんだ」と胸を張って言えるような、地図に残る仕事ができるのです。
7 鳶職人に関するよくある質問と回答
7-1 鳶職人が取得しておいた方が良い資格はある?
鳶職人は取っておいた方がいい資格がいくつかあり、取るべき資格は経験年数によって異なります。
経験年数別に鳶職人が取るべき資格はこちらです。
特別教育 | 足場の組立て等特別教育 フルハーネス型墜落制止用器具特別教育 |
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技能教育 | 玉掛け技能教育 職長・安全衛生責任者教育 高所作業車運転技能講習 小型移動式クレーン運転技能講習 フォークリフト運転技能講習 |
作業主任者 | 足場組て解体作業主任者 鉄骨建て方作業主任者 型枠支保工作業主任者 |
技能士 | 鳶技能士 (年に1回の為、3月に日程要確認) |
鳶職人の資格についてはこちらの記事に詳しくまとめられていますのでご参照ください↓
鳶職人の経験年数別に目指したい資格がわかる?!鳶の資格知識
7-2 鳶職人はヤンキーが多いって言われるけどほんと?
鳶職人にはヤンキーが多いと言われていますが、実際はそうでもありません。というよりは「昔やんちゃだった人が多い」という方が正しいです。「現役鳶職で今もバリバリのヤンキーです」という人はほぼいませんし、もちろんヤンキーとは無縁という人の方が多いのです。ではなぜヤンキーが多いと言われるようになったのでしょうか。
鳶職というのは、危険と背中合わせの仕事です。危険な高所作業で命を守るために、時には仲間や後輩に大声で怒鳴るような場面もあります。こういった姿から、恐い人たち=ヤンキーというイメージが強くなったのかもしれません。
鳶職人はヤンキーが多と思われる理由についてこちらの記事に詳しくまとめられていますのでご参照ください↓
鳶職にヤンキーが多いと思われてしまう理由と真相について徹底解説!
7-3 鳶職人は女性でもなれるの?
鳶職人はもちろん女性もなることができます。「男性の仕事」というイメージが強い建設業界ですが、日比建設では女性の鳶職人も活躍しています。
女性の鳶職人のリアルについてはこちらの記事をご参照ください↓
『現役女性鳶職人にインタビュー』鳶職は女性でも活躍できる職業です
7-4 鳶職人は中卒でもなれるの?
鳶職人は中卒でもなれます。一般的には学歴不問の会社がほとんどです。しかし、学歴がないからと言ってキャリアアップできない職業ではありません。日比建設の社長は中卒で鳶の世界に入り、社長になりました。中卒でも独立して年収1,000万円になることも十分可能なのです。
詳しくはこちらの記事をご参照ください↓
現役鳶工事会社社長(中卒)が語るあなたの知らない中卒鳶職人の世界
7-5 高所作業だけど大丈夫?
安全面に十分配慮して作業する必要があります。自分が落ちないことはもちろん、工具一つ落としてはいけません。技術や知識よりまずは安全に作業することが最も重要です。ただ、高いところが嫌い・高所恐怖症の人が鳶職になるのは厳しいと思います。
まとめ
いかがでしたか?この記事で鳶職のことがよく分かった!と思って頂けたでしょうか?
鳶職は大変な仕事ですし、誰にでもできる仕事ではありません。
しかし、だからこそ味わえる感動が必ずあります。鳶職として働いてみたい!見たことのない景色を見てみたい!そう思ったなら、日比建設に相談にきてください。少しだけ勇気をを出して踏み出した一歩は、人生を大きく変えるはずです。
経験豊富な頼れる先輩たちと一緒に「地図に残る仕事」の喜びを一緒に味わいましょう!
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