鳶職人の経験年数別に目指したい資格がわかる?!鳶の資格の知識

鳶の世界でいう資格とは、イメージしやすいもので例えると運転免許証のようなものです。

原付免許しか持っていなければ排気量50CC以下のバイクしか運転できませんし、普通免許で大型トラックの運転はできません。営利目的で旅客輸送業務を行おうと思えば二種免許が必要です。免許の種類を増やすことで運転できるものの種類が増え、上位の資格を取ればより大きなものが運転できるようになります。

鳶職人も同じように、現場で特定の作業をするために持っていないといけない資格があります。

資格の種類を増やすことでできる作業が増え、上位の資格を取ることでより重たいものが扱えたり、より高い場所で作業ができるなど作業の制限を外していけることになります。

現場の作業に応じた資格を持っていれば、それだけ活躍出来る幅がぐんと広がります。

仕事を通して経験を積みながら、その経験値にあった資格をどんどん取得すれば、どんな現場でも周囲から頼られる鳶職人を目指すことが出来るでしょう。

資格は大きな枠組みで表すと『特別教育』・『技能講習』・『作業主任者』・『国家資格』があります。わかりやすく経験年数順に鳶職人として優先して取ってほしい資格を解説していきます。

特別教育足場の組立て等特別教育
フルハーネス型墜落制止用器具特別教育
技能教育玉掛け技能教育
職長・安全衛生責任者教育
高所作業車運転技能講習
小型移動式クレーン運転技能講習
フォークリフト運転技能講習
作業主任者足場組て解体作業主任者
鉄骨建て方作業主任者
型枠支保工作業主任者
技能士鳶技能士 (年に1回の為、3月に日程要確認)

※玉掛けや高所作業車など技能講習科目の中には、扱う高さや重さが制限される特別教育もありますが、通常鳶職人が現場で使用するにあたっては特別教育ではアンダースペックになるケースが多いため、ここでは技能講習でまとめています。

1.未経験者がはじめに取る資格は2つあります。

鳶職人が建設現場で働くために必ず必要になるのが下記2つの特別教育です。
この2つを受講していないと鳶職人としてできることがほぼ無いと言っても過言ではありません。

特別教育は学科や実技の試験がないため、それぞれ規定されたカリキュラムを規定時間受講すれば取得できる資格です。

1-1 足場の組立て等特別教育

資格の内容

建設業における足場関連の事故が多発していることを受けて、労働安全衛生規則の一部改正により足場を安全に使用し、労働災害を未然に防ぐため、現場作業における足場作業に関する知識、工事設備、機械、器具、作業等の知識・労働災害防止の知識、関係法令を学習するための講習です。

足場の組立、解体又は変更のいずれかの作業を行う場合、業務に携わるすべての業種が対象です。

*「上で作業するのみ」「通路として使用のみ」「移動させるのみ」の場合は含みません。
しかし、搬入のために一時的に手すりを外すなど、既存の足場の構造を変えることは「変更」になりますのでご注意ください。(高さ)特別教育には高さの規定がありませんので、すべての高さが対象となります。

難しくはない講習ですが、これを受けていないと足場業務ができないため、鳶職人にとっては必須な資格と言えます。

カリキュラムの時間

足場作業に関する知識3時間
工事用設備、機械、器具作業環境の知識30分
労働災害の防止について1時間30分
関係法令1時間

費用の目安

受講料およそ10,500円 

免除されるケース

  • 足場の組立て等作業主任者技能講習を修了済みの方
  • 建築施工系とび科の訓練(普通職業訓練)を修了した方、
  • 居住システム系建築科又は居住システム系環境下の
  • 訓練(高度職業訓練)を修了した方、等
  • 足場の組立て等作業主任者技能講習規定に掲げる方
  • とびに係る1級又は2級の技能検定に合格した方
  • とび科の職業訓練指導員免許を受けた方

1-2 フルハーネス型墜落制止用器具特別教育

高さ2m以上の作業床等のない高所作業ではフルハーネス型を着用することが原則とされています。このフルハーネス型器具を正しく、安全に使用するための特別教育になります。

ほとんどの作業を高所で行う鳶職人にとってはこちらも現場に出るにあたり必須の資格となります。

教育の内容と時間について

<学科:4.5時間>

作業に関する知識1時間
墜落制止用器具に関する知識2時間
労働災害の防止に関する知識1時間
関係法令30分

<実技:1.5時間>

墜落制止用器具の使用方法1時間30分

費用の目安

受講料 およそ8,000円〜14,000円

2.経験年数1年〜3年でスキルアップを目指したい資格5選!

ここからは、自分が主に関わる作業の種類によって取得優先度は変わりますが、全て取得することでできる作業の幅が大きく広がります。

2-1.玉掛け(玉掛け技能講習)

資格の内容  

まず玉掛け作業とは、建設現場などで重い荷物をクレーンを使って持ち上げる際に、フックに荷物を掛けたり外したりする作業のことをいいます。
なぜこの資格が必要かというと、とても重い荷物を高所に持ち上げることは危険が伴うからです。
適切な掛け方をしないと落下する恐れがあり、一歩間違えると作業員に怪我を負わせたり、最悪な場合は命に関わる事故を招いてしまいます。

そういったトラブルを未然に防ぎ、安全に対する意識をしっかり持って作業をするために玉掛け資格講習を受け、知識と技能をしっかり学んで上で、正しく玉掛けを行えるようにしましょう。

鳶職人であれば鉄骨建て方はもちろん、足場やその他作業においても玉掛け作業は切っても切れない作業なのでまず初めに取るべき資格と言えます。

カリキュラムの時間

クレーン等に関する知識1時間
クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識3時間
クレーン等の玉掛けの方法3時間30分
関係法令1時間

受講できる日程と場所

都道府県の登録教習機関において実施しているため最寄りの教習所に確認するのがいいでしょう。

費用の目安

受講料 およそ22,000円〜26,000円

免除されるケース

以下の資格を持っていると、一部の科目が免除になります。

クレーン・デリック運転士免許・移動式クレーン運転士免許・揚貨装置運転士免許のいずれかを有する方

  • 床上操作式クレーン運転技能講習を修了された方
  • 小型移動式クレーン運転技能講習を修了された方

*実務経験があるからといって免除にはなりません。
*免除項目や時間については受講場所によって異なる為、受けようと思っている試験会場にお問い合わせください。

2-2.職長・安全衛生責任者教育

資格の内容

職長とは各現場ごとに配置される責任者のことで、元請けや関係職種との打ち合わせをもとに、現場の安全管理、工程管理、品質管理など多様な業務を担います。

この職長業務を担えるのが職長教育の修了者です。
通常、職長が安全衛生責任者を兼務するケースが多いため、同時に受講する事が多い資格です、例え少人数で、あるいは短期間で作業するような場合であっても、必ず現場ごとに職長の配置が必要になるため、経験を経た上で数人での作業を任される程度のレベルになった際には積極的に取得しておきたい資格です。

カリキュラムの時間

職長合計:およそ12時間25分

職長の役割25分
作業方法の決定および労働者の配置に関すること1時間40分
労働者に対する指導または監督の方法に関すること2時間30分
危険性または有毒性等の調査およびその結果に基づき講ずる措置に関すること1時間50分
設備、作業などの具体的な改善の方法2時間20分
その他現場監督として行うべき労働災害防止活動に関すること2時間
異常時などにおける措置に関すること1時間40分

カリキュラムの時間

安全衛生責任者合計:2時間10分

費用の目安

受講料:およそ22,000円

免除されるケース

特にありません。

2-3.高所作業車運転技能講習

資格の内容

昔は高いところの作業にはハシゴが使われていましたが、安定が悪い上に作業場所移動が大変でした。
近年、高所作業車が開発され、仕事の効率がよくなった反面使い方を誤って、転倒事故や挟まれ事故などの重大災害も増えています。安全に作業するために、こちらも運転操作に資格が必要になります。
高所(10m以上)における工事、点検、補修の作業に使用される機械で、作業床の高さが10m以上の高所作業者の運転業務に必要な資格です。

鳶職人は鉄骨建て方や足場の組み立てなど様々な業務で高所作業車を使うケースが多いため、比較的取得優先度の高い資格といえます。

【特別講習(10m未満)】と【技能講習(10m以上)】と2種類ありますが、
ここでは、作業の制限がかからない【高所作業車技能講習】の方を紹介しています。

カリキュラムの時間

(*既に持っている資格によって、講習の一部が免除されるため、所要日数と料金が変わります。)

既にお持ちの資格特になし普通自動車免許をお持ちの方。
フォークリフト運転免許をお持ちの方。
車両系建設機械等
技能講習修了した方。
移動式クレーン運転士免許をお持ちの方。
小型移動式クレーン技能講習者を修了した方。
所要日数2.5日間(17時間2日間(14時間)2日間(およそ12時間)
講習料金およそ47,700円およそ45,500円およそ43,800円

実技 およそ6時間

費用の目安

およそ43,800円から47,700円

免除されるケース

  • 普通自動車免許をお持ちの方。
  • フォークリフト運転免許をお持ちの方。
  • 車両系建設機械等技能講習修了した方。
  • 移動式クレーン運転士免許をお持ちの方。
  • 小型移動式クレーン技能講習者を修了した方。

2-4.移動式クレーン

資格の内容

移動式クレーンを運転するための資格は、以下の通り3種類あり、それぞれ作業可能なつり上げ荷重が変わってきます。

どの資格を取得するべきかの判断が難しいですが、特別教育では吊り上げ荷重が1t未満の小さなクレーンしか運転できず、免許になると費用も時間もかなりかかります。

結果、多くの鳶職人は移動式クレーン資格を取る場合は技能講習を受講するケースが多いです。

①移動式クレーン特別教育②小型移動式クレーン運転技能講習③移動式クレーン運転士免許
受講資格18歳以上18歳以上18歳以上
つり上げ荷重0.5トン以上  1トン未満1トン以上  5トン未満5トン以上
学科9時間13時間学科試験に合格
実技4時間7時間9時間あるいは実技試験に合格
修了試験の有無無しありあり
受講料およそ15,800円およそ31,500〜34,500円およそ103,000円〜103,500円

(*クレーン車で公道を走行するには移動式クレーンの資格の他に運転免許証も必要です。)

カリキュラムの時間

①移動式クレーン特別教育 

<学科:9時間>

移動式クレーンに関する知識3時間
原動機および電気に関する知識3時間
移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識2時間
関係法令1時間

<実技:4時間>

クレーンの運転3時間
クレーンの運転のための合図1時間
②小型移動式クレーン運転技能講習

<学科:13時間>

小型移動式クレーンに関する知識6時間
小型移動式クレーン運転技能講習に係る原動機および電気に関する知識3時間
小型移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識3時間
関係法令1時間

修了試験あり

<実技:7時間>

クレーンの運転6時間
クレーンの運転のための合図1時間

修了試験あり

(*受講する教習機関によって、かつ所持している免許や運転業務経験などによって講習時間が異なるケースがあります。)

③移動式クレーン運転士免許

移動式クレーン運転免許は、安全衛生技術試験協会の各技術センターによる学科、実技の免許試験に
合格する必要があります。
実技試験は登録教習機関で移動式クレーン運転実技教習を修了することで免除されます。

費用の目安

①移動式クレーン特別教育およそ15,800円
②小型移動式クレーン運転技能講習およそ31,500〜34,500円
③移動式クレーン運転士免許およそ103,000円〜103,500円

2-5.フォークリフト運転技能講習(荷重1トン以上)

資格の内容

人の力では運べない重さの荷物もフォークリフトなら簡単に運ぶことができるので、トラックやラックからの荷下ろし、積み込み、収納、また荷物の運搬に幅広く活躍するフォークリフト(種類や形状に関係なくすべての)を運転できる資格になります。

特別講習のフォークリフト(荷重1トン未満)もありますが、扱える荷重に制限がかかってしまうため今回紹介したい資格は「フォークリフト運転技能講習」になります。

鳶職人にとって必須の資格とまでは言えるかは微妙なところですが、持っていると作業の幅が広がり重宝されます。

カリキュラムの時間

受験者の所持免許によって異なります。
大型特殊自動車免許を持っている人は最短の2日間です。
普通自動車運転免許を持っている人は4日間の講習です。
全く持っていない人では、5日間と、取得日数と費用が異なってきます。

コース時間(KOMATSUホームページ参照)現在保有している資格および業務経験
11時間
  • 大型特殊免許(カタピラ限定を除く)所有者
  • 普通、準中型、中型、大型、大型特殊(限定あり)免許を有し、小型フォークリフト特別教育終了後、最大荷重が1トン未満のフォークリフトの業務経験 が3ヶ月以上ある方
15時間

小型フォークリフト特別教育修了後、最大荷重が1トン未満のフォークリフトの業務経験が6ヶ月以 上ある方。(特別教育修了証のコピー添付、事業主経験証明が必要、特自検点検表添付)

31時間普通、準中型、中型、大型、大型特殊(限定あり)免許所有者
35時間上記のいずれにも該当しない方

費用の目安

未経験の方で、およそ40,000〜60,000円が相場でしょう。
取得費用は、受験者の所持免許や経験により費用が異なってくるため自分にあったプラン選びが必要になります。

免除されるケース

  1. 各種自動車免許
  2. 大型特殊自動車免許
  3. 特別教育修了者で1トン未満の業務経験3ヶ月以上

3.経験年数が4年以上になれば、現場の作業スタッフの指揮を任せられる作業主任者を目指しキャリアアップ。

作業主任者資格取得には実働で3年以上の実務経験が必要なので、多くの場合4年〜5年以上の経験を経て取得します。そして資格取得後も、概ね5年おきに【能力向上教育】を受講する必要があります。

3-1.足場の組立て等作業主任者技能講習

『足場の特別教育』の上位資格であり、こちらは修了試験があります。
試験がある理由は、作業者を指揮する『監督者』として、現場の安全を管理する立場であるため足場の構造や組み立て方法など、より深い知識を一定以上有する必要があるからです。

受講要件を満たした段階で積極的に取得したい資格です。

受験資格

満21歳以上、かつ3年以上の足場作業の実務経験ただし、中等教育、高校において土木、建築又は造船に関する学科を専攻して卒業した方で、その後、2年以上の足場作業の経験のある方は、満20歳でも受講できます。

資格の内容

つり足場(ゴンドラのつり足場を除く)、張出し足場又は高さが5メートル以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業を行うには、事業者は足場の組立て等作業主任者技能講習を修了した者を作業主任者として選任し、その者の指揮のもとに作業を行わせなければなりません。

カリキュラムの時間

取得済み資格や実務経験によって、一部の受講が免除されます。(以下3通りあり)

Aコースの該当者 (免除なし)

(*一般社団法人 労働技能講習協会参照)

  1. 満21歳以上で、足場作業に3年以上従事した経験のある者
  2. あるいは、満20歳以上で、大学、高専、高校、中学において土木、建築又は造船に関する学科を専攻した者で、その後2年以上足場作業に従事した経験のある者。
学科1日目作業の方法に関する知識7時間
学科2日目工事用設備、機械、器具、作業環境などに関する知識3時間
作業者に対する教育などに関する知識1時間30分
関係法令30分
学科試験1時間
受講資格の確認書類実務経験証明書・(2の方は、卒業証明書または卒業証書の写しも必要)
費用およそ13,800円 (受講料+テキスト代)
Bコースの該当者 (下記のとおり免除あり)
  1. 満20歳以上で、技能講習規定第一条の各号にあげる者、訓練を修了後に、足場作業に2年以上従事した経験のある者
  2. Aコースのいずれかに該当する者で、職業能力開発促進法施工例別表第1に掲げる、とび1級、1級の技能検定に合格した者。
学科1日目作業の方法に関する知識→免除
学科2日目工事用設備、機械、器具、作業環境などに関する知識→免除
作業者に対する教育などに関する知識1時間30分
関係法令1時間30分
学科試験1時間
受講資格の確認書類実務経験証明書・修了証の写し
費用およそ10,700円 (受講料+テキスト代)
Cコースの該当者 (下記のとおり免除あり)

Aコースのいずれかに該当する者で、職業能力開発促進法第28条第1項に規定する職業能力開発促進法施工規則別表第11の免許職業の欄に掲げる、とび科の職種に係る職業訓練指導員免許を受けた者。

学科1日目作業の方法に関する知識→免除
学科2日目工事用設備、機械、器具、作業環境などに関する知識→免除
作業者に対する教育などに関する知識→免除
関係法令1時間30分
学科試験1時間
受講資格の確認書類技能検定合格証の写し。2の方は、修了証の写し
費用およそ10,100円 (受講料+テキスト代)

費用の目安

およそ10100円から13,800円

免除されるケース

一部講習免除されるケースがあるようなので、直接問い合わせてみてください。

  • とび科訓練修了者
  • 1級・2級とび技能検定合格者
  • とび科の職業訓練指導員免許の所持者

3-2.鉄骨建て方作業主任者

建築物の骨組みや、高さが5m以上である金属製の部材により構成されるものの組立て、解体または変更の作業を行う場合において現場の監督・安全指導をする責任者です。鳶職人の中でも鉄骨建て方に携わることが多い人は、積極的に取りたい資格です。

資格の内容

建築物鉄骨組立作業では、安全に作業を進めるため、豊富な経験と十分な技能を身につけた人の指揮が必須になります。

カリキュラムの時間

(参考まで)各都道府県の実施先により異なります。(2日間程度)

免除の詳細日程受講料受講資格
通常2日(11時間)およそ18,000円21歳以上かつ実務経験3年以上
免除A1日(3時間)およそ14,000円

1.とび科職業訓練修了
2.とび技能士1級、2級

免除B1日(1時間30分)およそ13,000円とび科職業訓練指導員
免除C2日(1時間30分)およそ11,000円鋼橋、コンクリート橋架設等作業主任者技能講習修了者
日程カリキュラム講習時間通常免除A免除B免除B

 

 

 

学科1日目

作業の方法に関する知識5時間→免除→免除→免除
学科2日目工事用設備、機械、器具などに関する知識1時間30分→免除→免除→免除
作業環境などに関する知識1時間30分→免除→免除→免除
作業者に対する教育などに関する知識1時間30分→免除→免除
関係法令1時間30分
修了試験1時間

費用の目安

およそ12,000円〜18,000円ほど 
(受講エリアや経験、所持資格によって異なりますのでお近くの地域へ直接お問い合わせください)

免除されるケース

  • 鋼橋架設・コンクリート橋架設作業主任者
  • 1級・2級とび技能検定合格者
  • とび科の職業訓練指導員免許の所持者

参考 受験申し込み先

一般財団法人 日本産業技能教習協会
https://kyousyu.org/kousyu/tetsu/
東京都千代田区神田美倉街10
TEL:03-3254-8404

建設業労働災害防止協会(建災防)
https://www.kensaibou.or.jp/seminar/branch008.html?page=1
*こちらは、受講対象者が満18歳を満たしてから、金属製の部材により構成されるものの組立、解体又は変更に関する作業経験が3年以上のもの。とあり。

3-3型枠支保工作業主任者

資格の内容

鉄筋コンクリートの建築物を建設する際には、最初に型枠を造ってからコンクリートを流し込みます。そして、流し込まれた(打設された)コンクリートが固まり、一定の強度に達するまで、型枠を所定の位置で固定させるために支える仮枠が『型枠支保工』です。

大規模な建造物では大量のコンクリートを使うので、型枠支保工に不備があると大事故につながりかねません。

「型枠支保工の組立て作業主任者」は、そうした労働災害を防止するために配置される人が取得する資格です。
鳶職人にとっては支保工用ステージの組み立ても関わることの多い作業ですので、取得しておきたい資格になります

受講条件

満21歳以上、型枠支保工の組立てまたは解体に関する作業に3年以上従事した経験のある者。

カリキュラムの時間

13時間

型枠及び型枠支保工の組立、解体に関する知識7時間
工事用設備、機械、器具、作業環境などに関する知識3時間
作業者に対する教育などに関する知識1時間30分
関係法令1時間30分

費用の目安

およそ17,000円

免除されるケース

  • 建設科・ブロック建築科・型枠科訓練修了者
  • 1級 2級ブロック建築・とび技能検定合格者
  • 建設科・建築科・建築ブロック科・とび科指導員免許者

4.国家資格『とび技能士』について

4-1.『とび技能士』とは?

『とび技能士』は1級・2級・3級がありますが、その中で最も高度な知識・技術・経験などが要求される『とび一級技能士』の資格は、一流の腕前をもつ証といえるでしょう。

技能講習との違いは、この資格があるからといって出来る仕事(作業)が増えるわけではありません。
そのため、必須の資格ではありませんが、鳶職人としてさらなる向上を目指したい方や難関な国家資格なので、合格すれば会社からの評価や転職に有利に働くケースもあります。

資格の内容

学科と実技がありますが、国家資格なので簡単とは言えません。
特に学科試験は、普段使わないような項目も出てくるので難関といえるでしょう。

受検資格

7年以上のとび実務経験が必要

受検申し込みの注意点

実際に、技能検定の受検申請については注意が必要です。
各種技能検定統一実施となり、年に一度きりの受検申請となります。

令和5年度ですと受検受付期間が令和5年4月3日(月)〜4月14日(火)までになりますが鳶一級は毎年受検人数が多い為、初日の4月3日(月)までに申請書必着がのぞましいです。

3月1日以降、「申請書」の取り寄せが可能になるので、早めに準備し、4月3日(月)(令和5年の場合)に申請書が到着するように準備しておくと良いでしょう。(期日指定で事前に郵送可能です)

各都道府県の職業能力開発協会のホームページを必ず確認してください。
https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/giken.html

カリキュラムの時間

講義 10時間(2日間)

学科
基幹技能者一般知識に関する科目工事現場における基幹的な役割及び当該役割を担うために必要な技能に関する事項60分
 OJT教育等実務に役立つ話し方・OJT教育に関する事項30分
関係法令に関する科目労働安全衛生法その他関係法令に関する事項90分

建設木王子の施工、工程管理、資材管理(新しい技術について)
その他の技術上の管理に関する事項

施工管理に関する事項90分(事務管理含む)
工程管理に関する事項60分
資材管理(新しい技術)に関する事項60分
原価管理に関する事項60分
品質管理に関する事項60分
安全管理に関する事項90分
修了試験上記内容より45分

※試験は4者択一(合計25門) 60 点以上合格   
(一般社団法人 日本建設躯体工事業団体連合会 https://nihonkutai.or.jp/basic_technician/workshop 参照)

実技

毎年真夏の炎天下の屋外で120分行われるため、十分な体力が必要です。
時間制限内に終わらせないと不合格となってしまうので注意してください。

とび作業の段取り1時間30~50分
仮設の建設物などの組立て及び解体(合掌の櫓組立
切削・組立ておよび地業
玉掛け(3種の重量物の目測の作業)5分
建設工事に使用する材料の運搬(重量物の運搬)10分

中央職業能力開発協会のサイトで過去問が公開されているので、
どんな問題が出るのか確認して、何度かくりかえし復習しておくとよいでしょう。

https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/giken.html
(中央職業能力開発協会サイト)
(なお、掲載されている試験問題等は、著作権で保護されているため、閲覧のみ可能となっています。)

動画紹介

活字が苦手でなかなか勉強に取り組めない時、動画で勉強もおすすめです!

例えば、You Tubeで『 とび一級学科試験』と検索するといくつか出てきます。
その中で、筆者おすすめの  You Tubeが
こちら→サンポーchannel (2022年6月に更新

こういった動画を利用してモチベーションを維持させるのもよいかもしれません。
理解しにくいところを倍速機能など使って効率的に学べると思います。

ただ、最新情報が更新されていないケースもある為、
注意が必要です。

費用の目安

一級実技試験 およそ38,500円 (都道府県によって異なります。)

※試験不合格者は、翌々年度かつ、2回まで講義の受講を免除して、試験を受講できます。

受験のみの受講手数料は、8,800円で2日間の講習を受講される場合は受講手数料19,800円となります
(日本建設躯体工業団体連合会参照)

免除されるケース

  1. 実技試験又は学科試験に合格した日から5年間(最終年にあっては年度終わりまで)有効
  2. 選択科目のある検定職種の場合には、同一の選択科目に限る。

4-2.取得するメリット

メリット①

学科や実技の勉強の積み重ねで、現場の作業に直結するスキルを養うことができる。
例えば、頭の中に出来上がりの構造物のイメージを描いて作業しなければならないので、図面から全体の構造物をイメージする力がつくだけでなく、計画的に作業するための段取りをする能力の向上や、適切に単管をつなぐ際のラチェットスパナの操作、工夫力などの向上が期待できると思います。

メリット②

優良技能者認定制度があり、大林組では、認定基幹職長(スーパー職長)になるための鳶・土工基幹技能者になるための講習の受講資格がもらえます。スーパー職長は、職長よりも上の立場で当然収入もアップします。

メリット③

各技能講習の一部の学科が免除されます。
【免除対象一部参考まで】

木造建築物の組立て等作業主任者技能講習4科目のうち2科目受験免除
土止め支保工作業主任者技能講習4科目のうち2科目受験免除
型枠支保工の組立て等作業主任講習4科目のうち2科目受験免除
足場の組立て等作業主任者技能講習4科目のうち2科目受験免除
鉄骨の組立て等作業主任者技能講4科目のうち2科目受験免除
コンクリート造の工作物の解体等作業主任技能講習4科目のうち2科目受験免除

5.資格を取得するのにオススメ会社

日比建設が資格申し込みによく使う2社をご参考までに紹介致しますが、他にも都道府県の各地域や受講種目によって試験を開催する会社も複数あり、費用も日程も異なります。
ぜひ最寄りの試験会場を探して直接確認してみてください。

①株式会社nextPCT(旧IHI技術教習所)

https://www.npct.co.jp

R5年3月現在、以下の3拠点に教習所があります。
ホームページから、各拠点ごとに受講可能な講習種目が一目でわかります。
受講までの流れだけでなく、助成金や給付金などの案内もわかりやすくまとまっています。

東京教習所

東京都江東区新砂1丁目10-17

TEL.03-5633-8340

神奈川あやせ教習所

神奈川県綾瀬市早川2771番 

TEL.0467-78-7741

大阪教習所

大阪府門真市深田町22-1

HPからのみ受付となります。

②コマツ教習所 

https://www.komatsu-kyoshujo.co.jp/tokyo/

全国15箇所に教習所があります。
申し込み手順は、『講習の予約・日程』→『講習名』→『ご自分の受講したいエリア』をクリックすると1年間の日程が選択できるようになっているので、空きのある日程をクリックして申し込めるようになっています。
一部エリアですが女性専用コースもあります。(宮城・埼玉・粟津・奈良)のみ。

北海道センタ

北海道北広島市大曲工業団地1-6

TEL:011-377-3866

宮城センタ

宮城県名取市植松字入生346-1

TEL:022-384-9334

栃木センタ

栃木県小山市横倉新田295-1

TEL:0285-28-8300

群馬センタ

群馬県高崎市倉賀野町3369

TEL:027-350-5356

埼玉センタ

埼玉県入間市小谷田字中原857-3

TEL:04-2960-3366

東京センタ

東京都八王子市七国3-55-1

TEL:042-632-0635

神奈川センタ

神奈川県川崎市川崎区中瀬3-20-1

TEL:044-287-2071

粟津センタ

石川県小松市月津町ヲ72-2

TEL:0761-44-3930

静岡センタ

静岡県静岡市駿河区国吉田1-11-30

TEL:054-262-0005

愛知センタ

愛知県一宮市朝日1-4-1

TEL:0586-26-4111

近畿センタ

大阪府豊中市服部寿町5-166

TEL:06-7711-3481

奈良センタ

奈良県天理市二階堂上ノ庄町265-1

TEL:0743-68-3333

四国センタ(愛媛)

愛媛県西条市飯岡3563

TEL:0897-58-6631

四国センタ(高知支所)

高知県高知市一宮西町3-29-46

TEL:088-845-0783

九州センタ

福岡県糟屋郡須恵町大字植木字才木1265-25

TEL:092-935-4131

6.まとめ

ここまで読んで頂いて、資格取得についての流れと鳶職人としてのキャリアアップの目標をイメージして頂けたら幸いです。鳶職人に必要な資格というのは、とても多くありますが年齢や経験年数などに応じて、取るべき資格がわかったのではないかと思います。

現場の作業に応じた資格をどんどん増やし、活躍出来る幅を今よりももっと増やす事で頼れる鳶職人としてキャリアアップを目指していくと良いと思います。

ちなみに最終目標の【鳶一級技能士】の実技試験を突破するには、練習を積み重ねていくことが重要なのですが、職場にこの資格を所持している先輩がいれば、とても心強いはずです。

実際に現場で働きながら、具体的なコツやポイントなど、直接指導を受けることが出来るからです。

合同会社日比建設には、鳶一級技能士を合格し、『鳶・土工基幹技能者』を所持している社員が2名おります。

先輩からのアドバイスも取り入れ、たくさんの現場をこなして技術と経験を磨いていくと良いでしょう。
なお、日比建設では、資格取得の費用を全額会社が負担します。

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